英語の文章を読む中で, 因果関係を表す表現が出てきます。それぞれの単語・フレーズで覚えても勿論良いのですが, 効率良く覚えてしまえるように, 以下に原因→結果を表す表現と, 結果→原因を表す表現をまとめてみました。
因果関係を表す表現が出てくるところは, 英文としても重要な箇所が多く見られます。逆に言うと, これらの表現がどのような意味をしているかを知らないと 、文の中で重要な箇所を見落としてしまうことになります。しっかりと以下で学習し、定着させていきましょう。
1.原因→結果を表す表現
ここでは lead to のように, toを伴うものが以下に複数見られます。toのイメージは「右矢印」と覚えておけば, その順番に物事が起きる, つまり「原因→結果」と覚えられます。
原因 be responsible for 結果
Speeding is responsible for a lot of accidents.
スピードの出し過ぎが多くの交通事故の原因になっている。
「~に責任がある」という表現は覚えていても、これは抜けている人が多いため、よく狙われる。
原因 bring about 結果
The negotiations brought about a good result.
交渉は良い結果を生んだ。
bringは後ろに前置詞を伴うイディオム表現も多くややこしいが、最も覚えて欲しいのがこの表現。
原因 cause 結果
The typhoon caused a lot of damage.
台風は大きな被害をもたらした。
最も基本的な因果関係を表す表現。ただ、「引き起こす」という訳は覚えていたとしても、因果関係という視点で見ることはこれまであまりなかったかもしれない。その視点は必ず持って欲しい。
原因 contribute to 結果
Various factors contribute to obesity.
様々な要因の組み合わせが肥満につながる。
※辞書の例文を見る中で、以下のような文があったが、英語の文章構造(旧情報→新情報の流れ)を考えると、以下の文は原因→結果で表すのではなく, This trend comes from… のように, 結果←原因の表現で書く方が良いだろう。
Many social and economic forces contributed to this trend.
社会や経済における様々な影響力がこうした動きの一因となった。
原因 give rise to 結果
Labor shortage gives rise to serious social problems.
労働力不足は深刻な社会問題を引き起こしている。
この表現は特に悪い事態がto以下に来ることが多い、と覚えておくと良い。
原因 lead to 結果
The World Cup often leads to revitalizing its host country.
ワールドカップは開催国の活性化につながることが多い。
※ contribute to, give rise to, lead to 全てtoはto不定詞ではなく前置詞。よって上の例のように, 動詞が来ても原形ではなく動名詞の形にすること。ライティングの際によく間違えるので、気をつけておきたい。
原因 result in 結果
The fire resulted in nine injuries.
火事で9人の怪我人が出た。
下に出てくるresult fromとの区別がややこしい。ポイントはresult fromの部分を参照。
原因 trigger 結果
His statement triggered a set of protests.
彼の発言がきっかけとなり一連の抗議行動が起きた。
拳銃のトリガーを引く, というところから押さえて欲しい表現。
2.結果←原因を表す表現
後ろに挙げられている表現は全てfromが伴う。fromは「起点」を表す表現なので、toとは違い, ←の矢印のイメージとなる。
結果 arise from 原因
His problems arise from having lost his job.
彼の抱える問題は失業が原因だ。
結果 come from 原因
His illness comes from smoking too much.
彼の病気はたばこの吸い過ぎが原因です。
「~から来る」は物理的に人や物が, という意味以外にも, このように原因を表すこともある。
結果 result from 原因
Nothing resulted from the negotiations.
その話し合いからは何も生まれなかった。
result in, result fromとどっちが原因→結果なのか結果←原因なのか, 悩む人も多い。その際はfromから結果←原因、と覚えて, その逆がresult inだと覚えると良い。
結果 stem from 原因
Their disagreement stemmed largely from a quarrel over money.
彼らの仲違いは主として金銭問題に起因するものだった。
このように動詞 + 前置詞の組み合わせの間に副詞が入ることもあるので、注意しておきたい。
結果 derive from 原因
derive a lot of satisfaction from helping others
人の助けになることで多くの満足感を得る
この表現はこのように他動詞(後ろに目的語を取る動詞)として使われる場合もあり、その場合は [derive 結果 from 原因] の意味になる。もし自動詞として使われる場合は [結果 derive from 原因] となる。注意しておきたい。
<要注意の表現: attribute, ascribe, owe>
基本的に to を伴うものは右矢印のイメージから原因→結果となるが、以下に挙げるものはその逆, つまり 結果 to 原因 を取る動詞になる。特に上2つはよく出るので, 必ず押さえておきたい。
attribute 結果 to 原因
She attributed her failure to bad luck.
彼女は自分の失敗を悪運のせいにした。
attributeは他にも「 [性質など] が…にあると考える」の意味がある。
例 We attribute caring nature to mothers.
我々は母親には思いやりの心があると思っている。
これら2つがややこしく、覚えられていない受験生が多いことから下線部和訳の問題部分としては狙われやすい。実際に過去, 阪大の問題でも出題されたことがあった。
owe 結果 to 原因
I owe it to you that I made a lot of friends. (itは後ろのthat以下の仮主語)
私がこんなにたくさんの友達を作れたのはあなたのおかげです。
itの仮主語が用いられているのは、真ん中部分が長くなり, その直後の部分が短いフレーズ (to you) だけが残ることになるため。
ascribe 結果 to 原因
The government ascribed the air pollution to automobiles.
政府は大気汚染の原因は車にあるとした。
比較的難しい語彙であるが、難関大を狙うのであれば覚えておきたい表現。