今日は京都大学2003年の大問1について解説していきます。
このページの以下を見る前に、必ず問題を解き、自分の解答と照らし合わせて見るようにしましょう。
また、ネットのページなどで問題を読み、手を動かさずに解答をなんとなく頭で作ることはやめましょう。
必ず試験本番と同様に、まずは過去問を買い、ノートに解き、そこからこのサイトを参考にしてもらえたら幸いです。
赤本などにもかなり網羅されているとは思いますが、実際にどのようなアプローチで考えるべきなのか、細かいところまで載せていますので、赤本などの解答の補完的なものとして、活用してもらえれば幸いです。
このページには主に下線部のところしか載せていませんが、下線部の外をしっかりと読むことはとても重要です(でなければ、カットされているはずですね)。
どのように英文を読んでいくか、などもどこかのタイミングで扱うことが出来れば、と思っています。
That’s because the best philosophy doesn’t just come up with a few new facts that we can simply add to our stock of information, or a few new maxims to extend our list of dos and don’ts, but embodies a picture of the world and a set of values; and unless these happen to be yours already it is bound to seem very peculiar — if it doesn’t seem peculiar you haven’t understood it.
解答例
なぜなら最良の哲学というものは、我々が持ち合わせている情報に単に加えることのできる少しの新しい事実や、我々のすべきこと・すべきでないことのリストを拡張させるような少しの新しい格言を生み出すだけでなく、世界の全体像と一連の価値観を具現化をもするのだ。そして、たまたまそれらのものが既に身についていたのでない限り、その哲学はとても奇妙なように映るだろうし、奇妙に思われないのであれば、それを理解していないということだ。
That’s because the best philosophy doesn’t just come up with a few new facts that we can simply add to our stock of information, or a few new maxims to extend our list of dos and don’ts, but embodies a picture of the world and a set of values
【方針】
・まずはbecause以下にnot just A but B: AするだけでなくBもする の形になっていることを確認して欲しい。勘違いしやすいのは、AしないだけでなくBもしない、とnotを否定語として取ってしまう人も多かった。気をつけて欲しい。
・文の真ん中にあるorの並列は, a few new factsとa few new maximsとなっていることを確認したい。
【細かいところ】
・come up with…は「~を思いつく」だが, 「哲学が思いつく」とするのも日本語的にはイマイチなので、「~を生み出す」とした。生徒の解答の中には「啓蒙する」という訳もあった。これは素晴らしい。
・factの直後のthatは同格、としそうだが同格ではない。addは他動詞であり, add A to B: BをAに付け加える なので、関係代名詞の目的格の形になっている。
・stock: 持ち合わせているもの わからなければ飛ばして減点を覚悟しても良い。類推をして書き、全く違う訳をしてしまい話がわからなくなるより、多少の減点を覚悟して幹を残すことが大事。肉を切らせて骨を断つ。
・maxim: 格言
・dos and don’ts 後ろの「格言」からも、「すること→すべきこと / しないこと→すべきでないこと」としたい。
・embodyはbodyにem (動詞化) がついたもの。strengthen, encourageなども同様。
「具体化する」
・pictureは「全体像」の意。写真ではないことに注意。
・a set of : 一連の
・values: 価値観 複数形で使うとこの意味で用いられる。覚えておきたい。
; and unless these happen to be yours already it is bound to seem very peculiar — if it doesn’t seem peculiar you haven’t understood it.
【細かいところ】
・happen to be: たまたま~である
・alreadyが文末に来ているが、ここまでがunlessのかかる位置と考える。
・yoursの訳がポイント。これらのものが自分のものである、と書いたところでよくわからない。自分のもの→身についたもの、と考えることで解答例のような答えになる。
・be bound to… 「(縛られる、の意から)確実に~する」
・主語のitはthe best philosophyを指している。確かに遠いところを指しているが、前の文の主語なので、話の主題と考えることが出来る。
・you haven’t… のyouは一般論なので訳出不要。
There is far too much philosophy, composed under far too wide a range of conditions, for there to be a general answer to that question. But it can certainly be said that a great deal of philosophy has been intended as a means to salvation, though what we are to understand by salvation, and salvation from what, has varied as widely as the philosophies themselves.
解答例
あまりに広い条件下で構成されているあまりに多くの哲学があるため、この問いに対する一般的な答えは存在しない。しかし、大量の哲学が救済の手段として意図されてきた、ということは確実に言える。ただ、救済によって何を意味するのか、そして何から救済されるべきなのか、ということ哲学そのものと同じくらい多岐にわたるのであった。
what do you mean by A?
There is far too much philosophy, composed under far too wide a range of conditions, for there to be a general answer to that question.
【方針】
・too much… to be ~ の部分で too … to ~ (…しすぎて~できない) の構文になっていることに注意。ここは双方が離れているため, 多くの受験生が気付いていませんでした。
【細かいところ】
・compose: 構成する composerで「作曲家←音楽を構成する人」などと, 関連語も含めて覚えておきたいところ。
・for there to be… は意味上の主語、と考えたい。よってthere is a general answer… と続くと考えると良い。
But it can certainly be said that a great deal of philosophy has been intended as a means to salvation, though what we are to understand by salvation, and salvation from what, has varied as widely as the philosophies themselves.
【方針】
・長いので, 2文に分けることも考えても良い。その際は、thoughの手前までが前半, 後半は訳し方として「~ではあるのだが」と後ろから付け加える形になる。
・salvationは難単語。直後の文に
【細かいところ】